鍛造リングとは?デザインや強度の話
目次
リングの制作方法・鍛造リングと鋳造リング
リングを制作する方法として、鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)という2つの方法があります。
鋳造と鍛造の違い
鍛造リングは
鍛造リングは、金属を熱して溶かし、打ち出して伸ばして制作する鍛造法によって制作されます。
その独自の伝統的な職人技術により注目を集めています。
この鍛造法によって作られるリングは、手作業で丁寧に作り上げられるため、独自の雰囲気・質感があります。
鍛造リングのメリット
強度と耐久性: 鍛造法は金属を叩いて伸ばしていく方法ですので、地金が締まって密度の高いものとなります。なので、リングがより耐久性があり、強度を持ったものとなります。
日常ご着用されたまま生活やお仕事をされる、普段使いの指輪は鍛造方法をおすすめいたします。
手仕事の温かみ: 職人が一つ一つ手作業で作り上げるため、鍛造リングには職人の手仕事の温かみやこだわりが感じられます。
鍛造リングのデメリット
- 1点1点金属を溶かして制作するので制作時間とコストがかかります(約1ヶ月半~)
- 彫刻的なデザインや、複雑なデザインは難しいです。
鋳造リングは
一方、鋳造制作とは、ワックス(樹脂)から型を作ってその型に金属を流し込んで制作する方法を言います。
鍛造との違いは、原型(というのですが)を、
鍛造(たんぞう)の場合は金属で原型を作りそのまま制作、
鋳造(ちゅうぞう)の場合はワックスで原型を作り、型を制作して金属を流して制作、
の違いとなります。
3dcadでデータを作り、3Dプリンターで出力する方法も、この鋳造法によります。
3Dプリンターによって樹脂の原型が出力され、鋳造されます。
鋳造法のメリット
鋳造法はデザインの柔軟性が高い:ワックスで制作するので、デザインにおける柔軟性が高いです。例えば彫刻的なデザインであるとか、動物の顔のモチーフや流線型のデザインなどはこの方法で制作することになります。
例えば下のようなデザインの場合です
量産品も鋳造方法で作られます。
ゴム型を作り、ワックスをゴム型に流し込んで同じものを量産することができます。
鋳造法のデメリット
型に流された地金を研磨して仕上げているので、鍛造法に比べて強度がない。
「ス」が入ったりすることがある。→お豆腐じゃないですけど地金の面に小さな穴が空いていたりすることです。仕上げの際に穴埋めしてきれいにしてあるので見た目はわかりませんが。
具体的には
・華奢めのリングのデザイン
・素材が純金・純銀製のような柔らかい素材(で細いもの・薄いものは特に)
のときは特に鋳造で作られたリングは変形するリスクが非常に高いです。
鍛造法・デザイン性の高いオーダーメイドリングも可能
下の写真は鍛造(たんぞう)制作〔=地金を溶かして叩いて作る方法)によって作られたリングです。
シンプルなデザインが多いですが、印台リングや少し装飾的なものも可能です。
鍛造?鋳造?どちらがいいか?
オーダーリングの場合、お客様のご要望のデザインによって鍛造制作か鋳造制作かを随時決定しています。
「ワックスでないと作れない」ようなデザインの場合は鋳造で制作させていただくことになります。
ギーダリージュエリーでは、ルースがメインのシンプルなデザインの場合は、ほぼ鍛造法でお作りしています。
地金を溶かして制作する伝統的な鍛造法。
この制作方法ができる職人が段々と少なくなってきています。
ジュエリー制作だけに限らない話になりますが、海外に出れば日本の手作りの素晴らしさ、クォリティの高さというものに気が付かれることと思います。
日本の職人の技術は誇るものがあります。大切に後世に残していきたいと願うばかりです。